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ハニー製法(Honey Processing)とは、収穫した完熟コーヒー果実の果肉を除去した後、コーヒーの豆の周りに付いたミューシレージと呼ばれる粘液質を残した状態でゆっくりと乾燥させることで、完熟実のミューシレージの甘味が豆に移り、通常のウォッシュドコーヒーでは得られにくいハチミツを思わせる独特の香りやボディを持つ複雑な香味のコーヒー豆に仕上がります。従来からブラジルのパルプドナチュラル製法で知られたメソッドでしたが近年、精製技術の進歩と共にフレーバーのキャラクターを重要視するマーケットに合わせて中米を中心に急速に広まりました。 乾燥工程が複雑で発酵等のリスクも多い反面、高品質のカップは世界中からオファーが殺到する現在最も注目されている製法のひとつです。 |
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コーヒー精製法には大きく分けてナチュラル(乾式)とウォッシュド(水洗式)の二種類があります。ナチュラルは、コーヒーを摘み取ってそのまま乾かす方式。ウォッシュドは、表面の皮を剥がしてから発酵させ粘液質(ミューシレージ)を除去する方式。しかし数年前から「ハニー(ミエル)プロセス」という精製法が注目されています。※ミエルはスペイン語で蜂蜜 ハニーはコーヒーチェリーの表面だけをはがし、ミューシレージ部分は残したまま乾燥させます。乾燥期間に外側のミューシレージの水分が蒸発しながら蜂蜜のようにベタベタするために名付けられたハニープロセスの作業過程は非常に繊細で完成するまで長い時間を要します。 |
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「果肉除去と乾燥」 ハニープロセスにおける重要な行程は2つ。ひとつはチェリーの表皮をむいてミューシレージだけを残すパルピング。ハニープロセスの核心は糖分と酸味が豊かに含まれているコーヒーチェリーのミューシレージです。コーヒー豆を乾燥させる間にミューシレージの中の糖分と酸味が凝縮され種子の中に沁み込むことで複雑な香味が生まれます。 |
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もうひとつが高いクォリティーのコーヒー豆を作るのに重要なプロセスである乾燥です。コーヒー乾燥させるドライング・バッドやコンクリートスラブに気を使いながら管理しコーヒーが適度な水分を維持する様に細やかな管理が必要となります。ハニーコーヒーのキャラクターはミューシレージの量と乾燥時間によって大きく変化します。 これらはその仕上がり具合から'イエローハニー''レッド ハニー' 'ブラック ハニー'等に分類されます。 (*地域により手法/名称は多少異なります)'イエローハニー'はミューシレージを約25%残して6〜8日間乾燥したもの。 'レッド ハニー'は50%残して12〜14日間、'ブラック ハニー'はミューシレージをそのままにし表面の果肉だけ除去して約1ヶ月乾燥させます。 |
当然、ハニープロセスにしたからといって高品質なコーヒーになるのが担保される訳ではなく、全ての行程においてミューシレージの粘度による作業効率の低下と発酵等のリスクを十分に管理する必要がありますが、適切に処理されたものは際立った甘みと果実感を伴う素晴らしいカップとなります。 精製技術の革新が目覚ましい生産地において今後の世界のコーヒー地図を大きく変えることも予想されているハニーコーヒーの世界を存分にお楽しみください♪ |
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